NLCS Kobeでは、全学年が参加する今年度の「Final Tea Ceremony(お茶会)」を滴翠美術館にて開催いたしました。生徒たちが互いのためにお茶を点て合い、日本の伝統文化に深く触れる特別な時間となりました。

主菓子として席を彩ったのは、Grade 6の生徒たちが自らデザインした「紫陽花(あじさい)」の練り切りです。一つひとつの花びらが異なる個性を持ちながら、集まることで一つの美しい大輪となるその姿は、多様性に満ちたNLCS Kobeの生徒たちそのものを表しているようでした。

障子から差し込む光と「日本の美」

お茶の歴史が始まった大昔には、もちろん電気はありませんでした。今回の茶会では電気を消し、障子から差し込む柔らかな自然光の中で、五感を研ぎ澄ます体験をしました。

暗がりの中でほのかに灯る炭の赤み、襖にあしらわれた金銀の模様。そして床の間に飾られた一輪の花。人工的な照明の下では全体が均一に白く照らされますが、障子を通した横からの光は、お花の左半分を明るく照らし、右半分に深い陰影を作ります。この「不完全さの美(Imperfection)」こそが、時代を超えて受け継がれてきた日本の美意識(Japanese beauty)なのです。

床の間を彩る3つの名品と、生徒たちへのメッセージ

今回のお茶席では、滴翠美術館のご協力のもと、生徒たちの未来を応援する特別な3つの作品が飾られました。

  • お軸(掛け軸)『一華開五葉(いっかごようをひらく)』江月宗玩 書 / 松花堂昭乗 画 「ひとつの美しい花が咲くと、そこから5枚の花びらが広がり、やがて自然と立派な実がなる(結果自然成)」という禅語が書かれています 。イギリス・ロンドンで生まれた1つの花(NLCS)は、今やチェジュ、ドバイ、シンガポール、香港、そしてここ神戸という「5つの場所(5枚の花びら)」へと広がりました 。世界中の仲間と共に学ぶ生徒たちが、将来素晴らしい「実」を結ぶようにという願いが込められています 。 
  • 花入(花瓶)『砧青磁鳳凰耳花入(きぬたせいじほうおうみみはないれ)』中国・南宋時代 まるで澄んだ海の水のような、透き通る美しい青緑色の器です 。左右には、空を誰よりも高く飛ぶ伝説の鳥「鳳凰」の耳(飾り)がついています 。世界とつながるNLCSで学ぶ生徒たちが、鳳凰のように大きな翼を広げ、世界へ力強く羽ばたいてほしいという応援の気持ちが込められています 。 
  • 香合(お香の器)『老子堆黒香合(ろうしついこくこうごう)』中国・明時代(張成 作) 何層もの漆を塗り重ねて削り出す高度な技法で作られた、ウシに乗る賢者「老子」が描かれた器です 。知恵の先生である老子のように、生徒たちが日常の「どうしてかな?」を楽しみ、自分の頭で考える知恵と思いやりのある大人になってほしいという、学びの冒険を応援するメッセージが託されています 。 

伝統的な空間の中で、光と影の美しさを感じ、歴史ある美術品からのメッセージを受け取った生徒たち。今回の経験は、彼らが国際社会へと羽ばたく中での大切な心の拠り所(アイデンティティ)となることでしょう。