新緑が美しい5月、NLCS Kobeは世界的な建築家ミケーレ・デ・ルッキ氏(AMDL CIRCLE)を迎え、特別なワークショップを開催しました。

ミケーレ氏は、2028年開校予定の「六甲山キャンパス」の設計を手掛ける人物です。新キャンパスの舞台となる六甲山の豊かな自然のなか、生徒たちが「自分にとっての心地よい居場所」を五感で探求した、刺激的な1日をレポートします。

建築の本質は「幸せに生きるためのコミュニケーション」

ワークショップは、世界で活躍するミケーレ氏の深いデザイン哲学に触れる対話からスタートしました。

「建築やデザインは、私たちが地球でできる限り幸せに生きていくためのものです。それは寒さや暑さをしのぐだけの『シェルター』ではなく、自分のアイデンティティを表現する一種のコミュニケーション手段なのです」

生徒たちから飛び出した鋭い質問に対しても、ミケーレ氏は真摯に、そして情熱的に答えてくれました。

  • お気に入りの素材は? 「圧倒的に『木』です。切ってもまた生えてくる、季節を感じて育つ『素晴らしい生き物』だからこそ、触れたときにあたたかみがあります。縦に使えば家を支えるほど強く、向きを変えればしなやかに曲がる。切り方で美しい木目が現れるなど、使い方次第でまったく違う表情を見せてくれるところが魅力です」

• • 新校舎の設計で得たインスピレーションは? 「六甲山の美しい緑や丘からの景色から、3つのインスピレーションを得ました。自然を感じる『つながり』、広い視野を持つ『未来への希望』、そして山の天気のようにしなやかに対応する『適応力』です。生徒たちには、この自然のなかで豊かに育ってほしいと願っています」

枠を飛び越える創造力:六甲山の自然をカタチにする

インスピレーションを得た生徒たちは、屋外へ飛び出し、作品のベースとなる六甲山の自然素材や端材を集めました。形や匂い、質感を確かめながら、お気に入りの素材を手に室内へと戻り、創作タイムが始まります。

このワークショップに「正解」はありません。一人で没頭する生徒、友達とアイデアを交わす生徒など、会場は自由でクリエイティブな熱気に包まれました。発表会では、代表して3名の生徒が独自の空間コンセプトを披露してくれました。

  • 「心落ち着く安心の空間」 「盆栽やキャンプからヒントを得て、光がたっぷり入るリラックス空間を作りました。自然の温もりを感じられるよう、木や葉っぱを主役にしています」
  • 「ストレスフリーな“クレイジー・バルコニー”」 「とにかくストレスのない場所を目指しました。木の端材や苔をふんだんに使い、みんながゆったり過ごせる緑豊かなバルコニーです」

• • 「世界を驚かせるユニークな建造物」 「世界中から人が集まる『空港』にあるような、誰もが驚く大きな建造物をイメージしました。トップのデコレーションで個性を追求しています」

未来へのメッセージ

■ 建築家 ミケーレ・デ・ルッキ氏

「生徒たちの作品は、彼らが捉えた自然が小さな空間に見事に表現されており、独自の感性が100%生きていて本当に驚かされました。 AIなどのテクノロジーは便利ですが、あくまで道具。大切なのは、人間が『何をしたいのか、どう捉えるのか』という軸を持つことです。あえて自然と向き合い、自分自身を見つめ直す今回の体験は、子どもたちにとって極めて大切な機会になったはずです。

新キャンパスに誕生する各校舎をつなぐ『散歩道』は、学校の心臓部であり、人の人生そのものです。道には曲がり角や環境の変化、多様な出会いがあります。子どもたちには、この散歩道を自分の人生の道のりと重ね合わせながら、力強く歩んでいってほしいですね」

2028年の開校に向けて

ワークショップの翌日にはミケーレ氏も出席し、新キャンパスの地鎮祭が厳かに執り行われました。

生徒たちが肌で感じた六甲山の自然、そしてミケーレ氏から受け取った建築への情熱は、そのまま未来の新校舎へと受け継がれていきます。NLCS Kobeの新たな歴史の幕開けを、ぜひ楽しみにしていてください!